強迫性障害の原因

 強迫性障害の原因ははっきりしていません。どれか特定の要因があるわけではなく、さまざまな要因が組み合わさって起こっていると考えられています。
 しかし、原因について、いくつかの仮説が上がってきています。それを以下に記します。ご自分の原因に近いものが見つかれば、回復への道が開かれるかもしれません。

強迫性障害の原因記事一覧

 強迫性障害の原因には、大きな出来事を経験したというものがあります。 強迫性障害になった方の多くは、何かしら発症のきっかけがあったといわれています。人生の転機が、発症のきっかけになることが多いといわれています。男性は進学、就職など、女性は結婚や出産、育児が代表的です。子供の頃に学校でいじめにあったことがきっかけになる人もいます。また、火事や交通事故、病気、犯罪に巻き込まれたなど、恐ろしい経験のあと...

 強迫性障害の原因に、性格は関係ないとされています。 強迫性障害はその症状から、几帳面や完全主義、融通がきかないといった人がなりやすいと思われています。しかし、強迫性障害になりやすい性格はないとされています。 裏を返すと誰にでも起こりうる病気というわけです。 生まれ持った性格のために強迫性障害になることはありません。

 強迫性障害の原因に、育て方は関係ないとされています。 親の育て方やしつけは、子どもの性格や行動に影響を与えますが、それが強迫性障害の原因だとは、断定できません。どちらかというと、強迫性障害を発症したあとの接し方が、症状に影響を与えることが多いです。 強迫性障害を発症した本人に対して、家族が批判的であったり、世話を焼き過ぎたりすると、症状が悪化していくことがあります。 家族の影響は、発症後の状態に...

 強迫性障害は遺伝する病気ではないとされています。 強迫性障害と遺伝子の研究は多くされていますが、統一された見解は出されていないというのが現状です。 父親が強迫性障害であっても、その子どもが必ずしも強迫性障害になるわけではありません。しかし、子どもが親の生活習慣に影響されて、同じ病気にかかりやすいということはあるかもしれません。 いずれにせよ、強迫性障害は、いわゆる遺伝病ではありません。正しい知識...

 強迫性障害の主な原因は、脳の機能障害であることが分かってきました。 以前は、環境の変化や対人関係などの社会的要因や、本人の考え方の癖などの心理的要因が重なり合った結果が強迫性障害の主な原因であると考えられていました。 しかし、研究により、脳の働きや脳の発達上の問題などの生物的要因が、主な原因であることが分かってきました。 現代では画像技術の発展により、脳の活動を見ることができるようになりました。...