SSRI
強迫性障害の治療薬SSRIを紹介します。
SSRIは、数ある抗うつ薬の中で、明らかに強迫性障害に対する治療効果が見られた一群です。
SSRIは、心のバランスを整える作用のある脳内神経伝達物質セロトニンを介して、治療効果を発揮します。強迫観念と強迫行為の両方を軽減させる効果があります。
SSRIのうち、強迫性障害治療薬として日本で認可されている薬品は、「フルボキサミン」と「パロキセチン」です。両方とも即効性のある薬ではありません。薬が効き出すまでに2週間から2ヶ月くらいかかります。ですから、医師の説明をよく聞き、服用を続けていくことが大切です。
SSRIが効くしくみ
SSRIが効くしくみを簡単に説明します。
- 神経伝達物質であるセロトニンは、一度情報を伝えると、元の神経細胞に戻って、取り込まれてしまいます。
- SSRIは、この取り込みを抑えて、シナプス(神経細胞がつながっている部分)間のセロトニンを減らさないようにします。
- この作用が、精神を安定させ、強迫性障害の症状を抑える効果があるのです。
薬でセロトニンの量を増やすことはできません。そこでSSRIを使って減らさないようにしているのです。
SSRIの副作用
SSRIの副作用を紹介します。
- 吐き気
- 食欲不振
- 便秘
- 下痢
SSRIは副作用が比較的少ない薬ですし、重い副作用もほとんどありません。それでも気になる時は、すぐに医師に相談しましょう。特に持病を持っている方や高齢の方は、副作用が出やすくなるので注意が必要です。SSRIは併用してはいけない薬がありますので、服用している薬があれば、事前に医師に報告しましょう。
また、アルコールといっしょに飲むと副作用が出やすくなります。お酒と一緒に飲むのはやめましょう。
勝手に服用をやめないこと
患者さんの中には、良くなってきたからといって、勝手に服用をやめてしまう人もいます。主治医に何もいわず勝手にやめるのは大変危険です。めまいやふらつき、吐き気、しびれなどの中断症候群が出やすくなります。
病気の再発を防ぐためにも、正しく薬を飲み続けることが大切です。