強迫性障害の克服に向けて

強迫性障害患者の克服に向けて

 ある強迫性障害患者の克服に向けた手記を紹介します。

 

 みなさんは強迫性障害をご存知ですか?一般的に知られている強迫性障害には、身体の汚れが気になって手洗いを一日に何度もやってしまう潔癖症や、外出しようとすると家の鍵やガスを確認しなくては何も手につかないものなどさまざまです。統計的にも100人中2人ですから決して少なくはないと思います。私自身現在脅迫障害で悩んでいます。

 

 私の場合は手に汚れがつくのがどうしても嫌なのです。5年ほど前私は職場の人間関係に深く悩んでおり、悩み疲れていたことも有って、犬を飼ってみました。家族が動物アレルギーでしたので、家の中に毛を持ち運ばないよう家の外で飼い、散歩のたびに手袋をつけ、衣服を着替えるという厳しい条件下でしたが、私は動物と暮らせる喜びでいっぱいでした。そして、犬を飼いはじめ、毎日が楽しくなりました。ちょうどその頃、私はテレビで人間の便には数億のバイ菌があり、トイレットペーパー越しであってもそのバイ菌は残るのという番組を観ました。私は自分の排便に加えて犬のものも処理しているため、単純計算でも2倍の菌に触れていることになります。まして、犬は外で生活していますから未知のバイ菌がもっとウヨウヨしているはずです。この時、私はもっと清潔にしなくてはならないと思い、より手洗いに励んで、衣服もちょっとでかけただけですぐ着替えるようになりました。

 

 そんな生活を続けたところ、友人に会う機会がありました。不審に思われないように、私は手袋を外していたのですが、友人は私の手を見た途端びっくりしていました。それもそのはず、長い間の手洗いのおかげで私の手は真っ赤で手先や節々の皮がボロボロに剥げていたのです。友人はそんな汚い手をとって「痛そうだけど、どうしたの?」と心配そうでした。心配してくれたのに騙すのは良心が痛んだため素直に話したところ、「気にしてないなら良いけれど、癖になってどうしても治らないのなら専門家に相談したほうが良い」と真剣に助言してくれました。

 

 それから私は自分の症状を調べたところ、どうも強迫性障害に近いのではないかと思い心療内科を受診しました。先生は抗不安薬と1時間刻みのスケジュール表を処方し、手洗いをした回数を記録するように言いました。食事量を記録するダイエットと同様のこの方法は、いかに自分が手洗いしたいかの目安のようでした。以前は1日20回前後でしたが、今は10回ぐらいと克服の一歩を進んでいます

 

 もし同じような悩みを抱えている人がいましたら、ぜひ病院にいってみてください。治療開始が早いほど克服が早くなる傾向にあるそうです。