強迫性障害の体験談

上司からの叱責が怖くて過剰な確認癖がついてしまった

30代女性、当時20代

 

発病までの背景

 わたしは子供の時から気が弱く、思っていることを人に伝えられないタイプでした。頑張って言葉で他人に気持ちを伝えようとしても、うまく伝えられず誤解を受けることが多かったです。そのため何かを相手に伝えようとすればするほど自信を失い、何かを伝えるということから逃げるようになっていきました。
 特に家庭に問題があったわけではありません。両親と弟と妹がいますが、両親はとても可愛がってくれていたし、兄弟姉妹も思いやりがあり、家族と過ごす時はストレスは感じていませんでした。
 そのため気持ちをうまく伝えられないのは学校や職場、その他の友人たちなど家族以外の人達に対してでした。学生の時は気が弱かったので、や強い子達からは攻撃の対象にされ、あまり目立った行動は取っていませんでした。
 そして多少嫌なことをされても笑ってやり過ごしていたので、軽いいじめにあったこともありました。それでさらに自信をなくして、その後社会人になっても他人が怖いという感覚が常に付きまとうようになりました。
 社会人になって5年ほど経った時のことでした。その時の職場は親切な方もいたのですが、やはり気が弱いわたしに目を付ける人もいて、常に監視されているような感覚でした。何をするにも緊張し、失敗も多く仕事も出来ないため、自分は普通にしていてもすごい災難にあったり迷惑をかける人間なんじゃないかと思うようになっていました。それが強迫性障害につながっていったのだと思います。

 

私に現れた強迫性障害の症状

 仕事をしていると、目をつけてくる上司の監視が気になり、緊張して何でもないことで失敗する事が増えました。
 仕事自体は複雑ではなく、確認をすれば問題ないことばかりでした。しかし遅いとそれについても注意を受けるので、急がなければという気持ちと間違ってはいけないという気持ちとがごっちゃになってパニックでした。
 特に目をつけられている上司からの仕事だったり、その方が近くにいると、とんでもなく気が動転していました。パニック状態で行った作業はミスが多く、どうしてそんなにできないのかと多く指摘を受けました。
 その結果、何度確認しても不安で仕方なくなりました。通常3回くらい確認したらいいようなものでも、数十回は確認しないと気が済まなかったです。最後はこんなに確認して馬鹿らしいとさえ自分で思っていましたが、やめられませんでした。
 そしてかなり確認したにも関わらず、自分が仕上げたものを自分の手元から離して他人に渡す時はとてつもなく不安でした。
 そういったことが続き、わたしはさらに仕事が遅くなり、注意を受けることもまた増えました。それでも失敗することもあり、あれだけ確認して失敗する自分を信じられなくなりました。そして、自分を信じられなくなったわたしには仕事以外でも常に何か自分はは失敗するのではないかという不安が付きまとうようになりました。
 その結果、最終的に家の戸締りに関しても不安になり、出勤時に電気やガス、鍵などの確認を何百回も繰り返すようになりました。マンションに一人暮らしだったため、わたしが見落とすとマンション全体が災難にあうと思うと怖くて仕方ありませんでした。その確認だけで1時間以上使っていたと思います。それだけ確認しても外出する時は不安で、昼休みにタクシーで家に戻り再度確認をしたこともあります。
 そして最終的にわたしは家を出ることが出来なくなりました。

 

私が行った治療

 家を出ることもできなかったのですが、当時わたしは自分がおかしいということに気付いていませんでした。ただ、自分は人と比べて異常にぼんやりしていて、わたしの目は節穴だと思っていました。
 会社は体調不良と言って数日休みました。
 その時、状況を母に相談したところ、病院にいくことを薦められたので、病院にいきました。家のことが気になるので、病院選びの基準はあまり長時間家を空けなくて済むように家から最も近い心療内科を選びました。診断は強迫性障害とうつ病でした。
 強迫性障害がもともとあったらしく、そういった人はうつ病にもなりやすいとのことでした。その時は気持ちを落ち着けるお薬と、時々眠れなかったので、睡眠導入剤を処方されました。
 そして、仕事はしばらく休職することになりました。
 薬を飲んで不安を抑えても実際確認を怠ると災難になるので、不安を抑えること自体が不安だったのですが、会社に行かないとなると長時間の外出もないので、きちんと薬は飲むようにしました。
 その後、両親が迎えに来てくれて、しばらく実家のほうで家族とゆっくり暮らしました。病院も実家近くで良い先生を紹介してもらい、そこで同じように不安を抑える薬と睡眠導入剤を処方してもらい服薬しています。

 

その後

 薬で治るのかとも思いましたが、家族が近くにいることと合わせて、今は外出前の戸締りもだいぶ短時間になりました。
 それから、家族以外でも親しい友人には少しはこちらから気持ちを話していくことができるようになりました。
 今までは何か言えば嫌われたり面倒がられるか不安でしたが、自分が言われても嫌いにならないことは言うだけ言ってみようという気持ちになりました。それでもやはり、外出前は確認は他の人よりは長くかかっていると思います。他人にも自分から近付けずにいることが多いと思います。
 しかし、これは多少はわたしの性格でもあるので、今は出来るだけ改善しつつもうまく付き合っていくしかないと思っています。
 戸締りに関しては、窓の鍵やコンロや水道、電気はきちんと戸締り出来ていることを携帯の写真に写して外出するようにしています。扉の鍵は写真には写らないので、かなり確認してしまうこともあります。
 今はどうしても不安な時は母に今鍵をして確認していますという旨の電話をかけています。
 人間関係に関しては、自分と他人は違うのでどうしていいか模索中です。プライベートでは極力合うような人としか関わらないようにしていますが、仕事を始めるとなるとそうもいかないので、今はそこが不安です。
 しかし、働く時はもともと緊張するということやそれでも頑張る気持ちはあるということだけは相手にうまく伝えたいと思っています。

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